イングランドに住む9歳の女の子が、10年以上前に発見された新種の海綿動物に名前を付けました。
紫色の珍しい海綿は、イングランドのノーフォーク沖で見つかったもので、これまでずっと無名のままでした。
イギリスで海洋保護活動を行うMarine Conservation Societyは、地元の子供たちに海とそこに住む生き物に関心を持ってもらうため、海綿の名前を決めるコンテストを開き、いくつかの候補の中から今回の名前を選びました。
新しく決まった海綿の名前は「パーパル・ダンプリン (Parpal Dumplin)」で、ノーフォークのランガムビレッジスクールに通う9歳の学生、シルビーさんが考案しました。
※ダンプリン(ダンプリング-Dumpling)は焼き団子、あるいは具材を小麦粉などで包み茹で上げた食べ物のことで、各国にレシピが存在します。日本では餃子が代表例です。
This unique purple sea #sponge discovered over a decade ago off the coast of #Norfolk, has finally been named thanks to a nine-year-old school girl called Sylvie 💜 Can anyone guess the name?https://t.co/e9Bklm3VGx
— Marine Conservation Society (@mcsuk) April 13, 2021
シルビーさんは、この名前にした理由について、「海綿が紫色のダンプリングに見えたからです」と話しています。
最終選考に残った他の名前には、「Norfolk Purplish Plum (ノーフォーク・パープリッシュ・プラム)」や「Purple Stone Sticker (パープル・ストーン・ステッカー)」などがありました。
海綿を「パーパル・ダンプリン」と命名したシルビーさん (Photo: Marine Conservation Society)
命名コンテストの意義について、選考委員であった教師のジェニー・ラム氏は、「子供たちにとって、紫色の海綿に名前を付けることは、波の下に隠れている生き物の生活について知る楽しい方法でした。このような機会が子供たちに与えられたのは、素晴らしいことです」と述べています。
海綿動物の専門家であるクレア・グッドウィン氏によると、パーパル・ダンプリンは、「Hymedesmia (Stylopus)」として知られる海綿の亜族で、新しい種とみなされています。
パーパル・ダンプリンという呼び名は、より科学的な名前が決まるまで使用されます。
グッドウィン氏はパーパル・ダンプリンを理解するため、今後、イギリス国内に保存されている海綿の標本を調べ、種と種の間にどのような違いがあるのかを分析したいと話しています。
海綿動物は世界中に11,000種以上が生息しており、海水をろ過することで、海洋生態系を健康に保つ働きを持っています。
紫色の餃子……見ようと思えば見えなくもない……
イメージしやすい名前のほうが親近感がわくよねー
References: Marine Conservation Society,The Independent