暴君トカゲと称されるT.レックス(ティラノサウルス)の巨大ないでたちは彼らがまさに地上の支配者であったことを納得させるものです。
しかしどれだけ巨大な恐竜にも子供時代というものがあります。
T.レックスの子供の化石はほとんど見つかっておらず、彼らがどのような姿だったのかははっきりとはわかっていません。
現在アメリカ自然史博物館で開催されている「T. rex:Ultimate Predator」展はそんなT.レックスの赤ちゃんを大胆な発想で表現しています。
Image:YouTube
アメリカ自然史博物館の古生物学者Mark Norell氏は、最近の研究結果から導き出したT.レックスの赤ちゃんの姿をCGと模型で再現しました。
Norell氏はT.レックスの赤ちゃんに羽毛のコートをかぶせています。
T.レックスはうろこ状の肌を持った爬虫類のように描かれてきましたが、近年初期のT.レックスには羽が生えていたのではないかという説が出てきています。
少なくともこれまで発見された化石からはその兆候は見られていませんが、赤ちゃんの場合であれば話は別です。
現在生きているT.レックスに最も近い親せきであるニワトリやダチョウのことを考えれば、卵から孵化した際に赤ちゃんが毛で覆われていても不思議はありません。
また彼らは20年にわたって成長を続けたので、身体を大きくする過程において羽毛が抜け落ちうろこに変わっていった可能性もあります。
大人になったT.レックスにはほとんど敵がいませんが、身体が小さいときには外敵から身を守らなければなりません。
もし赤ちゃんT.レックスに毛が生えていたのであれば、その羽毛は敵に対するカモフラージュとして機能したことでしょう。
↓以下の動画に模型作成の様子などがおさめられています。
What Did a Baby T. rex Look Like? 🦖 Find out in T. rex: The Ultimate Predator (Opens 3/11)
T.レックスの赤ちゃんに本当に毛が生えていたのかどうかは今後の研究次第ですが、凶暴なイメージのT.レックスにちょっとだけ可愛い側面が加わったようでなんとも微笑ましい感じがします。
T. rex:Ultimate Predator展はアメリカ自然史博物館で、2019年3月11日から2020年の8月9日まで開催されています。
References:ScienceAlert