NASAは8日、運用期限が迫っている2つの惑星科学ミッションを、さらに拡大、延長させると発表しています。
ミッションの延長が決定したのは、木星の内部構造や磁場について多くの発見をした「ジュノー」と、火星で地中の動きを観測している「インサイト」の2つの探査機です。
科学者やミッション管理者によって行われたレビューは、それぞれの探査機がもたらした科学的発見を評価し、運用の継続を推奨しました。
「ジュノー」は2025年9月、「インサイト」は2022年12月まで
2011年に地球を離れ2016年から木星を観測しているジュノーは、2021年の7月に運用を終了する予定でした。
ジュノーは木星の磁場や磁気圏を発見し、大気のメカニズムについて多くの知識を科学者にもたらしました。
新しいミッション期限は2025年の9月、あるいは探査機の寿命までとなり、今後は、ガニメデ、エウロパ、イオといった木星の衛星に対してもフライバイが行われます。
Two years on Mars helped me get in touch with the Red Planet. Now my mission’s been extended two more years!
— NASA InSight (@NASAInSight) January 8, 2021
I’ll study more marsquakes to understand Mars from the inside out. The more quakes I measure, the more we learn.
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2018年の11月に火星のエリシウム平原に着陸したインサイトは、一つの場所に留まりながら、火星の地震を計測しています。
機器の不調に悩まされながらも、これまでに何度も地震を捉え、惑星の形成に関するデータを蓄積してきました。
インサイトのミッション期間は当初2年でしたが、今回さらに2年が追加され、2022年12月まで延長されます。
インサイトは引き続き高品質の地震データを収集するとともに、火星内部の熱の流れを測定する「HP³ (ヒート・フロー・プローブ)」の展開に注力します。
(HP³は着陸以降、穴を掘る機械がうまく作動せずデータが得られていません)
ミッションの延長について、NASAの惑星科学部門の責任者ロリ・グレイズ氏は、「2つの惑星科学ミッションは、太陽系に関する新たな質問を生み出す可能性が高い」と述べています。
ミッションの延長は新しいミッションを始めるよりも予算が少なくて済む
まだまだ新しい発見がありそうで楽しみだねー
Reference: NASA