NASAの火星探査機「パーサビアランス (Perseverance)」が19日、無事火星に着陸しました。
日本時間19日の午前5時55分、科学者が「恐怖の7分間」と呼ぶ、通信不能な時間帯を乗り越えた探査機は、火星の赤道近くにある「ジェゼロ・クレーター」に降り立ちました。
2020年7月にフロリダのケープカナベラルから打ち上げられたパーサビアランスは、生命の痕跡を見つけるための科学機器を複数搭載しており、今後少なくとも2年にわたり、地表および地中の調査を行います。
(下の画像は着陸後最初に送られてきた火星の地表)
Hello, world. My first look at my forever home. #CountdownToMars pic.twitter.com/dkM9jE9I6X
— NASA’s Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere) February 18, 2021
幅45kmのジェゼロ・クレーターは、35億年までは水があったと考えられています。
水は、過去の火星に生命が存在していた可能性を示唆するものです。
6つの車輪を持つパーサビアランスは、クレーターから採取した塵やレゴリスを分析し、それらはNASAとESA(欧州宇宙機関)による別の計画によって、地球に送り返されることになっています。
火星からのサンプルリターンは初の試みで、成功すれば、将来の有人火星探査につながる重要なデータが得られます。
パーサビアランスの着陸成功について、NASAの長官代理であるスティーブ・ユルチク氏は、「この着陸は、NASA、アメリカ、そして世界の宇宙探査にとって極めて重要な瞬間の一つだ」と強調し、「パーサビアランスの使命は、最も困難な状況でも忍耐力を持ち、科学と探検を刺激し前進させるという我が国の精神を体現したものである」と述べています。(Perseveranceには忍耐力という意味があります)
またNASAのトーマス・ザブーケン科学局長は、初めてとなる火星からのサンプルリターンについて、「火星からの手付かずのサンプルが、私たちに何を教えてくれるかはわかりません。しかしそれは、地球の向こうに生命が存在したかもしれないことも含め、記念碑的なものです」と述べています。
重さ1026kgのパーサビアランスは、本格的な調査を開始する前に、数週間の動作テストを受けます。
パーサビアランスには、高解像度のカメラや掘削機、サンプルを採取するロボットアーム、岩石から生命の構成要素をマッピングする機器などの他に、小型のヘリコプターも搭載されています。
火星は地球とは重力が異なり、また地表では強烈な嵐が吹き荒れることがあります。
他の惑星では初となる飛行実験が成功した場合、ヘリコプターは将来、基地から離れた場所の探索や、物資の運搬などに使用される可能性があります。
パーサビアランスは降下を自律的に調整してかなりうまく着陸したようだぞ
これからはもっと火星に行きやすくなるね
Reference: NASA