2019年4月26日、ノルウェー沖のバレンツ海で操業していた漁船が、奇妙な姿のシロイルカを発見しました。
体にはハーネスが巻き付いており、イルカは助けを求めるかのように船に近づいてきました。
乗船していた漁師の一人は、戸惑いながらも網を投げイルカの捕獲を試みましたがうまくいかず、最終的に別の漁師が海に飛び込みイルカからハーネスを取り外しました。
イルカは人間を怖がる素振りを見せず、餌をねだるように口を開けたり、船の周囲を何度も行ったり来たりしました。
取り外されたハーネスには、「Equipment of St. Petersburg」の記載がありました。
これは“サンクトペテルブルクの備品”を表します。
イルカの体に巻きついていたハーネス (Photo: Norwegian Directorate of Fisheries)
一部の専門家はこのイルカについて、ロシアの研究施設から脱走してきた個体であると推測しています。
ノルウェーのトロムソ大学のAudun Rikardsen氏は、ハーネスを巻きつけたシロイルカについて、「科学者ならばこのようなことは絶対にしない」と強調し、ロシアの軍が関与している可能性を指摘しています。
シロイルカやバンドウイルカは知能が高く、古くから軍事利用されてきました。
サンクトペテルブルクには動物の研究施設があり、ロシア軍は、黒海やバレンツ海に面したムルマンスクなどでイルカたちを活動させています。
今回ハーネスを取り除かれたシロイルカは、ノルウェーの漁業局と船の乗員によって、無事海に返されました。

このイルカは過去に何度か目撃されていたみたいだな

ハーネスが取り外されてよかったねー
References: Norwegian Directorate of Fisheries,ScienceAlert