犬や猫と触れ合うことはストレス軽減に効果がある

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ストレス社会である現代において、いかにそのストレスを軽減するのかは私たちにとって大きな課題です。

大人だけでなく子供たちもストレスの影響を受けています。

最近の研究結果によると、アメリカの大学生はここ10年間でますます多くの学術的ストレス、抑うつ症状、不安および自殺念慮を抱えていて、これらの症状を報告する学生は大学を中退する可能性が高いことがわかっています。

学生のストレス予防については、管理者や学生たちからの提言によりいくつものアプローチがとられていますが、なかでも注目されているのが、動物と接する機会を設ける“動物訪問プログラム”です。

 

詳細な研究を待たずとも、人間が動物と触れ合うことには多くの利点があります。

しかしこれまで、それが実際にストレスの軽減に対し効果があるのかについての科学的証拠はほとんどありませんでした。

動物との触れ合いがストレス軽減に効果があるのか――この問題についてワシントン州立大学のチームが取り組みました。

結果は、動物たち持つ癒しのパワーを再確認させるものでした。

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犬や猫などの動物と触れ合うだけで人間のストレスレベルは低下する

 

ワシントン州立大学の人間開発研究者であるPatricia Pendry氏は、学生たちが動物との交流を楽しんでおり、そこから積極的な感情を経験していることを理解していました。

大学ではいくつものストレス軽減プログラムが実施されており、動物訪問プログラムもそのうちの一つです。

Pendry氏は動物訪問プログラムによって学生たちのストレス症状が和らいでいるのを知っていましたが、あくまでそれは“主観的”な意見であることもわかっていました。

 

私たちが学びたかったのは、この方法が客観的にみてストレスを軽減するのに役立つかどうかでした。

 

Pendry氏は学生たちに協力してもらい、本当に動物との触れ合いがストレス軽減に効果があるのかについての実験を行いました。

 


 

研究では249人の学生を対象に、無作為に分けられた4つのグループが用いられます。

またストレスの指標として唾液に含まれるコルチゾールが利用されました。

 

1つめのグループは10分間、訪れたペットと遊んだり、地元の避難所で犬や猫と触れ合ったりしました。

2つめのグループは同じ10分間で、1つめのグループが動物と交流しているのを観察します。

3つめのグループは動物たちのスライドショーを見せられるだけにとどまりました。

最後の4つめのグループは無期限の待機リスト――すなわち動物を目にすることも触れることもできませんでした。

 

唾液サンプルはそれぞれのグループ共通で一日3回採取されました。

朝目覚めた時と、実験の後に2回の計3回です。

 

実験結果は、ストレスレベルを判定するコルチゾールの値は1番目のグループが最も低く(つまり最もストレスレベルが低下した)、またそれは彼らの生活パターンに関わりなく、3回の採取全てにおいて有意であることを示しました。

2番目以降のグループは、1番目のグループに比べてストレスレベルの低下に大きな変化は見られませんでした。

この結果が示すことは、たった10分間の動物との接触でも身体的ストレスレベルの軽減に大きな影響を与える、ということです。

これは大学内という狭い範囲での研究結果ではありますが、人間が長い間動物と共に暮らしてきた歴史を考えるならば、動物がいかに人にとってかけがえのない存在であるかを裏付ける結果とも言えます。

Pendry氏たちの研究グループは今回の研究により、動物との触れ合いが学生たちのストレスレベルを軽減させたことを確認できたとして、大学で行われている動物訪問プログラムには有効性があると結論づけています。

 


 

別の研究でも、動物に触れることが飼い主のストレスレベルを著しく減少させることが確認されています。

15分から30分の間、動物に触れたり話しかけたりすることでコルチゾールのレベルが低下し、心理的ストレスや血圧の低下が即座におこることがわかっています。

 

私たちの身近にいる様々な動物たち。

犬や猫はもちろん、目に留まる全ての動物を観察してみましょう。

そしてできれば、触れたり声をかけてあげましょう。

それだけでストレスが減少するのであれば、こんなにいいことはありません。

動物たちの持つ癒しのパワーが、淀んだ現代社会を少しでも明るくしてくれるようになってほしいものですね。

 





 

References:ScienceAlert,AERA Open

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