ロシア北東部に位置するヤクーチア(サハ共和国)で、状態の良い「ケブカサイ」の死骸が発見されました。
ケブカサイは氷河時代に生息していたサイの一種で、名前が示すとおり、寒い気候に適応するための厚い毛皮を備えていました。
ケブカサイは約1万年前に絶滅しています。
ロシアのYakutia 24 TVによると、ケブカサイの死骸は2020年の8月、シベリアを流れるチレフチャフ川のほとりに住む地元住民によって発見されました。
この場所では2014年にもケブカサイが見つかっています。
永久凍土の融解により地上に姿を現したケブカサイは、軟部組織のほとんどが無傷で、腸や生殖器などの他に、角や太い体毛も残されていました。
(Valery Plotnikov/Yakutia 24 TV)
(Valery Plotnikov/Yakutia 24 TV)
年代測定の結果、サイは2万年から5万年前の後期更新世に生息していたことがわかりました。
個体の年齢は3歳から4歳で、死因はおそらく溺死でした。
調査を行ったロシア科学アカデミーの古生物学者ヴァレリー・プロントニコフ氏は、「小さな角も保存されている。これは分解が早いため、残っているのは珍しいことだ」と述べ、また、角が摩耗している理由について、「食べ物を得るために積極的に使われたことを示唆している」と説明しています。
調査チームは今後、ヤクーツクに標本を運びさらなる分析を行う予定です。
近年シベリアでは気温の上昇により永久凍土が解け、絶滅した種を含む、多くの動物の死骸が出現するようになっています。
これまでにケブカサイの他、マンモスやホラアナライオン、馬、犬、クマなどが見つかっています。
数万年前に死んだとは思えないほど状態が良いな
将来ケブカサイのクローンができるかもしれないね
Reference: BBC