遺伝子改変した蚊を野に放つ計画がフロリダで進行中 生物や環境への影響を危惧する声も

自然
(Aedes aegypti/Public Domain/Wikimedia Commons)

アメリカ環境保護庁(EPA)は、遺伝子を組み換えた蚊を野生に放つ計画を承認しています。

放たれるのはイギリスのバイオテクノロジー企業Oxitec社によって遺伝子改変されたオスのネッタイシマカで、特殊なタンパク質の作用により次の世代のメスの生存率が減少します。

このタンパク質はオスに引き継がれるため、交配が進むごとに集団からメスがいなくなり、最終的には蚊が一掃されることになります。

 

フロリダ農業消費者サービス省は16日に、州南部の沖合に浮かぶ島フロリダキーズでの蚊の放出計画にゴーサインを出しました。

またテキサス州のハリス郡も来年の試験の実施を決めています。

 

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今回の遺伝子改変した蚊を放つ計画には、他の生物への影響や環境保護の観点から反対する意見もあります。

ワシントンに拠点を置く非営利団体「食品安全センター」と「国際テクノロジーアセスメントセンター」はフロリダキーズで集会を開き、州に対しEPAの決定に反対するよう迫りました。

両団体の政策責任者であるジェイディー・ハンソン氏は、「この計画はジュラシック・パーク実験だ」と述べ、彼らは環境リスクを真剣に分析することを拒否していると糾弾しました。

またフロリダキーズの環境保護団体「フロリダキーズ環境連合」のバリー・レイ事務局長は、「フロリダの人々は遺伝子操作された蚊の実験には同意していない」と述べ、EPAの計画の承認は時期尚早であると指摘しています。

EPAは計画について、放たれる蚊はオスで人を刺すことはなく、また蚊を餌とするコウモリや魚などへの影響もないとしています。

 

沼地が多く蚊が発生しやすいフロリダでは、過去に大量の殺虫剤の散布により、蚊以外の生物が死亡するケースが起きています。

ネッタイシマカはデング熱やジカ熱などの感染症を媒介します。

 

 

 


 

 

しぐれ
しぐれ

計画ではフロリダとテキサスで合計7億5,000万匹の蚊を放つみたいだよ

せつな
せつな

他の生き物に影響を与えないか心配……

 

References: The Guardian