オーストラリアの国立フィルム&サウンドアーカイブ(NFSA)は、かつてオーストラリアのタスマニア島に生息していたフクロオオカミ(タスマニアタイガー)の新しい映像を発見し、修復したうえで公開しています。
映像は残されていたタスマニアの記録映画のなかから発掘された21秒の白黒動画で、ベンジャミンと名付けられたフクロオオカミの姿をとらえた貴重なものです。
ベンジャミンは生きて動いていることが確認できる最後のフクロオオカミです。
We have released 21-second newsreel clip featuring the last known images of the extinct Thylacine, filmed in 1935, has been digitised in 4K and released.
Be sure to check out the footage of this beautiful marsupial. #NFSAOpenOnline #TasmanianTigerhttps://t.co/s3JSAnmFck pic.twitter.com/FSRYXCTTMy
— NFSA -National Film and Sound Archive of Australia (@NFSAonline) May 19, 2020
映像は85年前の1935年、タスマニアのホバート動物園(別名ボーマリス動物園)で撮影されたもので、音声も残されています。
映像からは、ベンジャミンが不安げに動きまわるなか、外にいる飼育係が何らかの行動を引き出すべく檻をゆする様子が確認ができます。
ナレーターはこの動物が希少であることに触れ、文明の進歩によって自然の生息地から追い出されたと語りました。
(National Film and Sound Archive)
(National Film and Sound Archive)
NFSAはこの映像が、フクロオオカミの最後をとらえた映像として知られている1933年12月のものよりも12カ月以上後に撮影されたものであり、ベンジャミンについては、1936年の9月7日に亡くなったことが確認されていると説明しています。
ベンジャミンの姿を含むタスマニアの光景は、映画作家のシドニー・クックが、旅行記「Tasmania the Wonderland」として公開しました。
NFSAはフクロオオカミが映っているフィルムのコピーを複数保管しており、現在も分析と修復を続けています。
ニュースリリースによると、野生のフクロオオカミの映像か、音を発している様子をとらえた映像が近く明らかになるかもしれないということです。

タスマニアでは今でもフクロオオカミの目撃情報が絶えないらしい……

どこかでひっそりと生きてるといいね
References: National Film and Sound Archive